オオカミのゆめ
先日の記事の中で「私はオオカミが好き」と書きましたが、
こんなお題を見付けましたので。
小学2年生の時に見た夢なので、児童書風味でひとつ。ほーんのちょっぴりエグい箇所があるのでご注意願います…
そこはアメリカのどこか深い森の中。
夜ではないのですが酷い嵐で辺りは薄暗く、探検家らしき一人の男が雨風をしのごうと
洞窟の中に入って行くと、一番奥にオオカミの子ども達がいました。
親オオカミ達の姿がないので、きっとこの子達は群れからはぐれたのだろうと彼は思いました。
おとなしくしている子オオカミ達の隣で火をおこし暖を取っていると、そこに親オオカミ達が戻ってきました。
子オオカミ達ははぐれたわけではなかったのです。それはただの男の思い込みで、戻って来たオオカミ達は彼が子オオカミを捕まえようとしているのだと思いました。
「待ってくれ!違うんだ!俺は捕ろうとしたわけじゃない!」
後ずさりながら男は弁解しますが、オオカミに言葉が通じるはずもありません。何頭ものオオカミが唸りながらじりじりと男を追い詰めていきます。
「違う!違うんだ!!やめろ!!!」
うわあーッ!!!という叫び声と、男に襲いかかるオオカミ達の黒いシルエットが洞窟の壁に映し出され、それを映画のように見ていた私の視界は暗転します。
次に気が付くと、そこは当時通っていた小学校の放送室でした。
いるのは私と妹と従妹の3人。
私は『人間に怒ったオオカミ達が人間を滅ぼすために森から出て、もうじきこの街にもやって来る』という事を知っていて、どうしたら良いかを焦りながら3人で考えているのでした。
放送室は校舎の3階で、窓から見える校庭では、何も知らない生徒たちが大勢遊んでいるのが見えます。
まずは校内放送を使って彼らにこの事を知らせないと!というところで、私は祖母が一人で家にいる事を思い出し、学校のことは2人にお願いして急いで家に帰ることにしました。
早く早く!と焦るのに思うように足は動かず、当時よく遊んでいた神社の鳥居を仰ぎ見ながらくぐったところで………パチリと目が覚めました。
慌てて飛び起きてみると、多分日曜日の朝だったんでしょうね、父母も妹もまだ眠っており、気が付いたら私は荒い呼吸で汗だくになっておりました。
わたくし、もう半世紀ほど生きておりますが、後にも先にも汗だくで飛び起きたのはこの1回だけです。
そして夢の中では恐ろしい存在だったオオカミが、どういうわけかこの日から大好きになりました。何でだ(笑)
だから引っ越し作業もそこそこに、すぐに円山動物園へ行きましたとも!
ていうかさ。
探検家の男も勘違いだけど、オオカミ達も勘違いなのよねぇ…。
人間と野生動物の棲み分けは大事だし、むやみに自然に人間が立ち入るものじゃないって、この夢を見た日からずっと思っておりますよ。